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-これまでの実績-
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産業動物の質向上
牛から発生するメタンガス抑制
ゲンキ・ワンなどと同様、牛のエサにFBRAを含む原料を入れ与えることで、エサを短時間で溶解し、ゲップとして放出するメタンガスを抑制する効果がありました。メタンガス発生の削減は、地球温暖化対策に直結します。また、エサを短時間で溶解させることで飼料効率を向上させることができ、エサのコスト削減につながることもわかりました。
メタンガス発生のメカニズム
牛は一日に約160Lのメタンガスをげっぷとして放出します。牛は反芻動物と呼ばれ、複数の胃(第1,2,3,4胃)を持ち、一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻して、再咀嚼しながら消化していきます。その中でも第1胃内の微生物による発酵で、食べたエサが低級脂肪酸(プロピオン酸、酢酸、酪酸など)になります。この発酵の過程で、水素(H2),二酸化炭素(CO2),ギ酸(HCOOH)などのガスが発生しますが、ここでメタン生産菌が登場します。メタン清算金は、食べたエサが反芻によって長く滞留することで第1胃内の菌が異常繁殖し発生します。メタン生産菌は、発酵によって生じた水素と二酸化炭素を材料に、メタンガス(CH₄)を生成します。そして、このメタンは主にゲップとして体外へ放出されます。
エサを短時間で溶解させ、低級脂肪酸へ
私たちは、メタン生産菌の発生を抑制するためにエサを短時間で溶解させ、長く滞留することを防ぐ方法を考えました。
溶解させる成分「酵素」(FBRAを含む原料)の利用。「玄米・米ぬか発酵飼料」中に含まれる植物細胞溶解壁酵素(セルラーゼ、キシラナーゼ、エステラーゼなど)でエサを分解溶解させ、胃内の微生物を利用しやすいかたちに変換と、牛の体内に吸収しやすいかたちにすることができることがわかりました。
胃内の発酵を促進し、メタン生産菌を増やさない
胃内のエサの溶解に関する発酵では、「玄米・米ぬか発酵飼料中」(FBRAを含む原料)の成分により適正(ビタミンB群、食物繊維、抗酸化物質など)な微生物の状態になり、溶解が生じているという見込みです。これにより、メタン生産菌の発生を抑制することができます。
飼料効率向上によるコスト削減
酵素の力でエサを短時間で溶解させることにより、消化がしやすくなり、栄養吸収効率が向上します。 これにより安価なエサ(草など)で飼料効率を上げることができ、コスト削減につながることがわかり、現在実施中です。
魚類の疫病予防効果
魚の養殖の際は、どうしても糞やエサが水中に残りやすくなってしまいます。
放っておくと魚の疾病につながってしまう。
私たちは、抗生物質を使用せずにFBRAを含む原料を魚に投与し、腸内細菌叢を増やすこと で疾病の予防をすることはできないか?と考えました。
- 現在研究中ですが、
- 腸内細菌叢を増加させることで、魚の鮮度を長く保つことにつながる可能性があることがわかりました。
- FBRAを含む原料を与えることで腸内細菌叢の変化があることがわかり、これにより魚の生存率が上がる可能性があることがわかりました。